神様が「一つの音だけでいいから聞かせてくれ」とおっしゃった時に、あなたは自信をもってその一音を吹くことができますか。 つまり、何の装飾もなく、ただただシンプルな乙のロを吹くわけです。これがとてもむつかいしいことなのです。特にはじめの3項目ですが、癖になっている方が多いようです。自分で気付いていないことは、直せません。客観的に自分の音を聞くということはとても大事なことです。 |
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尺八を吹くときの唇のすき間について考えたことがありますか。息の出る部分です。
ということがありませんか。これらの原因に唇の息の出るすき間に問題がある場合が多く見受けられます。音が出るポイントを小さくとらえてしまっているのです。音の出るポイントをできるだけ大きくとらえることが大切です。 |
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チェロの名人 パブロカザルスは晩年まで毎日ハ長調の音階(つまりドレミファソラシド)の練習をしていたそうです。世界的にまた歴史的に名演奏家といわれたカザルスでさえ音階の練習をかかさなかったということは、音階がどれほど大切であるかということです。 |
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尺八の音の中で、魅力のある音の一つに、「むらいき」があります。ただ力いっぱい吹けば出るかというとそうはいきません。むらいきに対する、あるいはその曲に対する「思い」が大切なのは言うまでもありませんが、本当に魅力のあるむらいきを出すにはそれなりのテクニックが必要であることも事実です。 |
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「鶴の巣籠」の中で重要な役目をする奏法の一つに「コロコロ」があります。他の本曲のなかでももちろん鮮やかに演奏したい奏法ですし、また、現代曲の中でもしばしば登場します。ところがなかなかきっちりと決まらないのが「コロコロ」であります。国際尺八研修館で講習する本曲のコロコロは五孔を少し開けて、めって、一・二孔を交互に開閉します。この方法で演奏すると強いイントネーションになります。大事なことは音程です。コロコロの音程はあくまでも「リ」ですからコロコロ……と演奏したときにリリリリリリリ……と聞こえなければなりません。二孔が開いたときの方が音程が高くなりがちですので、メリの程度を二孔が開いたときにはより深くするか、手孔と指の間隔を一孔を開けるときより二孔を開けるときに狭くする必要があります。このことで音程の問題は解決できると思います。 |
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長管尺八に限らず姿勢は大切です。しかし特に2尺4寸ぐらいの長管になってくると悪い姿勢では音が非常に出にくくなりますし手首を痛めることにもなります。 |
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尺八の音の魅力の一つがメリ音ではないでしょうか。しかし同時に尺八の奏法のなかでもっとも難しい音でもあります。今月からメリについて何回かに分けて、より正確なメリのためのヒントをお伝えします。 |
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尺八の音の魅力の一つがメリ音です。より正確なメリのためのヒントをお伝えします。その2回目です。 |
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このワンポイントアドバイスをご覧になった方から時々E-mailを頂くことがあるのですが、その中にとても印象に残るものがありました。 |
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今までめりしっかりめることについて申し上げてきましたが、これはめりが高くなりがちで正しく出すにはほとんどの場合更にめることで修正できたからでした。しかし、本当に大切なことは、正しい音程で吹くことです。めり過ぎてもいけないのは当然のことです。めり過ぎやすいのは、リのめり、チのめりです。ツのめり、ロの大めりはめりすぎることはまれです。そして音程を正しく出すためのもう一つの大切なポイントはめった後しっかり元に戻すということです。例えばレ ツ(メ) レと吹いてみてください。もちろんツ(メ)はしっかりめってください。最初のレと後のレが全く同じ音程になっていますか |
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ここ何回かメリのお話しを続けていますが今回もメリに関してです。
先月は「めった後の話」でしたが、今月は、「める前の話」です。メリはメリ以外の音と比べれば確実に出しにくい音です。これをなんとか出し易くするために色々ヒントになることを、お伝えしてきました。ところが、出し易くなるにもかかわらず、このコーナーでお伝えしていない方法があります。なぜお伝えしなかったかというと、なるべく使わないほうがよい方法だからです。お伝えしなくても、自然のうちに身につけてしまっている方を時々おみかけします。それは、メリの直前にタンギングをすることです。あるいは、タンギングのかわりに、唇でいったん息を切ってプッという破裂音とともにメリを出すテクニックです。例えば鹿の遠音の始めの部分に レ 〜 ツ(メリ) という難易度の高い音の動きがありますが、このツ(メリ)の直前でプッという音が聞こえてきます。尺八の、特に古典には、タンギングは合いません。一つの音を吹き続けているのと全く同じ状態で レ 〜 ツ(メリ) を吹いて下さい。 レ 〜 ツ(メリ)の間、唇から出る息は一瞬たりとも途切れないようにです。 |